いえ、見間違いではありません。ブドウの樹々の間に見える、ゆっくりと動く白い毛玉は羊の群れです。冬の間ブドウ畑で草を食み、草刈り機の出番を遅らせてくれているのです。

Keeping it local

羊飼いにとって、羊の放牧場所を見つけることは永遠の課題です。冬期には、羊の群れを何マイルも移動させなければならないこともあります。できるだけ地元で放牧することが理想であり、ここガズボーンほど、放牧に理想的なロムニー・マーシュに近い地所はありません。

ケントとウェスト・サセックスにあるガズボーンのブドウ畑の近くで働く羊飼いたちに、ヴィンヤード・マネージャーのジョン・ポラードが、この冬、羊たちを畑に連れてきてもらえないかと尋ねたところ、彼らは地元で放牧できるチャンスに飛びつきました。

サーキュラー・エコノミー

これによるメリットは多く、羊は遠くの牧草地と行き来するための大型トラックでの長距離輸送から解放され、羊飼いたちは輸送費を節約できます。羊たちは、畑の草をきれいに整えるだけでなく、雑草の面倒も見てくれます。おまけに、適度な有機肥料を撒いていってくれるのです!

春になると、草刈り機や耕運機などの重機を使い始める時期を遅らせることができるので、燃料の節約になるだけでなく、畝間の土壌を圧縮して固めてしまうリスクも少なくなります。「このようにシーズンの初め(冬季)にブドウ畑を整えることで、ブドウの健全な競争を促せますし、霜のリスクを軽減することにもつながります。それだけでなく、地域社会への貢献活動にもなっています。近隣の人々を助け、私たちも助けられるという、地域での循環経済を生み出しているのです」。

ケント州では200頭のロムニー・マーシュ種、ウェストサセックス州では、血統書付きのサウスダウン種、ロムニー種、ハイランド産のラバ交雑種を合わせて100頭受け入れましたが、それでも、初年度の今年は毛むくじゃらの訪問者の恩恵を受けたブドウは一部でした。しかしジョンのチームはすでに、来年の冬にはより多くの羊の群れを受け入れようと話し合っています。そして、春に生まれる子羊たちは、地元の牧草で育つことになるのです。

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