ガズボーン ブラン・ド・ブランをグラスでご提供いただいているミシュラン二つ星、グリーン・スターの Florilege。シャンパーニュ以外のスパークリングワインが乾杯酒として採用されるのは今回が初めてという、そんな特別な節目にお選びいただきました。

ガズボーンとフロリレージュの共通点といえば、環境に配慮したサステナブルな取り組みを行いながら最高の飲食体験・ものづくりを行っていること。川手シェフと原ソムリエに、今回は「サステナブル」をテーマに、その哲学を伺いました。

ガズボーンが日々、畑やセラーで考え、実践しているサステナビリティという思想を、都会のど真ん中でどのように実践されているのか。ヨーロッパと日本の認識の違い、東京から発信する意義という視点で、熱い想いを伺いました。

 

アメリカ・日本 vs 欧州:「サステナブル」の根本的な違い

初年度からミシュラン・グリーンスターにも選ばれ、サステナブルな取り組みに時代に先んじて取り組んでいらした川手シェフですが、そのような活動の中で、どのような課題を感じていらっしゃいますか?

川手:まず、「サステナブル」の前にもう一段階「オーガニック」という言葉があると思うのですが、なぜヨーロッパであれだけオーガニックが進んでいるかというと、それは「意識の差」からくるものなんですよね。

日本は、よくも悪くもアメリカ型のオーガニック文化です。

「どうしてオーガニックが良いのか」と言われれば、日本やアメリカでは、『美容にいい』『健康にいい』『体にいい』。

かたやヨーロッパでは、「自然環境にダメージを与えない素材だから素晴らしい」。そしてなおかつ『美味しいし、健康にもいい』。…… 順番が真逆なんですよ。

根本的に、利己的・利他的という大きな違いがあるときに、どちらの方が広がっていくかというのは、考えるまでもなく当たり前のことなんです。

自分のためにやることは、どうしても小さくなる。

人のためにやることは、どうやっても大きくなっていく。

そこに大きな差が生まれます。いろいろな学会やシェフたちとの話し合いの中で、どう変えていくべきなんだろうねという話はよくしているし、よく提案もさせてもらっています。

ー「認識」を変える

川手:あらゆる問題は知恵の輪みたいなもので、一個外したらOK!ということは一つもなくて、全部を同時進行で外していかないといけない。

だから、まずは全ての根底に通じる「『認識』を変える」ということが重要なことだと思っています。

根源にある「認識の差」が最大の違いであり日本の課題だと、ヨーロッパで仕事をやればやるほど感じますね。

このようなマクロな課題意識を、どのようにご自身の料理、お店に落とし込まれているのだろうか。





「特別な場所で、特別な食材を使って、
特別な料理を作るのは、僕の仕事じゃない」

都心で取り組む『サステナブルな価値観の創造』

僕の今の料理観で重視しているのは「当たり前の食材を使いながら、皆さんの目の前に届くときには『新しい価値』をもった野菜料理になっている」ということ。先にも述べたような再発見、再認識を届けられる料理が、ますます重要になってきています。

世界の料理学会で話をするときには、サステナビリティ一つとっても様々な認識の人たちがいるわけで、講演会でも色々厳しいことを言われてきました(笑)。

そんな経験もあり、東京にいる自分だからこそできること、自分にしかできないことを考え続けてきました。

特別な場所で、特別な食材を使って、特別な料理を作るのは、僕の仕事じゃない。

みんなが知っている素材で、新しい価値観を生み出すということの方が、東京生まれ・東京育ちの僕が、都心で行うサステナブルな取り組みであり、強みなのかなと思っています。

地方発の料理では、その土地の素材や味を生かすためにナチュラルな仕立てにすることが多くなると思いますが、僕はそうじゃない。どちらがいいということではなく、僕はこのスタイルで、別のメッセージを伝えていきたいなと思っているんです。

 

シグネチャーの『野菜料理』と英国ワイン:意外な共通点

つやつやと光り輝き、肉の塊に匹敵する肉感と存在感を放って運ばれてきたカボチャの一品。撮影用にお作りいただいた、この一皿を選ばれた意図を尋ねた。

川手:カボチャの料理って難しいんですよね。日本人に馴染みが深い煮付けだとか、甘いお菓子に使われるような使い方ではないという意味で、日本人の舌が知っている味わいにはなっていないんです。

これは塩釜で焼いただけで、塩味もつけていません。ズッキーニの下にしいた塩麹のソースをつけながら食べていただきます。

ローストとして切り出した部分以外はムースに再利用することで、無駄も出ません。

実は夏にイギリスに行ってきたばかりなんですが、英国はあれだけの先進国でありながら、町から少し離れると豊かな自然が広がっている。緯度は北海道よりも北で涼しいし、(温暖化や気候変動を考えても)ワイン産地としての可能性がものすごくある。……とはいえ、僕が行ったとき気温は40度あったんですけどね(笑)。

僕にとってのシグネチャーになってきている野菜料理にも「新しい可能性」が広がっています。それが自然と英国ワインの姿に重なると思って、野菜だけを使ったこの一皿を選びました。

 

『一石を投じる、新しい選択肢を提示する』

実は、フロリレージュ でシャンパーニュ以外のスパークリングが採用されるのはガズボーンが初めてだという。

川手:フランスで働いていたので、シャンパーニュも大好きです。でも、「レストラン=シャンパーニュ」という、当たり前の価値観やブランドが存在しているところに一石を投じることの意味、というのもあると思っているんです。

ブランドや既存のカテゴリーに頼らず、新しいチョイスを創るというところに可能性と挑戦がある、と。一般的な評価軸だけを基準にするのではなくて、自分がいいと思うから、おいしいですよと人に薦めたいから選ぶ。新しい選択肢を自分で選び取る、という方が楽しいじゃないですか。ワイングラスなど、お店で使うものやお店づくりまで、同じ姿勢で選んでいます。

食とワインのダイバーシティ

原:今、このタイミングで英国ワインを採用したのは、多様性とかダイバーシティという言葉が一般的になってきた、今の時代の流れも影響としてあると思います。たとえば男性、女性、いろいろな人たちが認められるようになってきて、「スパークリング・ワイン。ただそれだけのことのことじゃない?」と言いやすくなった。そういう提案が受け入れられる素地が、社会的にも整ってきたのだと思います。

加えて言うなら、渡航規制も解除され、海外からのお客様が受け入れられるようになった、まさにこのタイミングということもあります。

これまではワイン・ペアリングはシャンパーニュに始まり、フランスワインで終わることが多かった。でも今回は、世界周遊の旅が、イギリスから始まります。フロリレージュのペアリングは8杯。世界を旅するように楽しんでいただけたら嬉しいです。

川手シェフ、原さんをはじめ、Florilegeのチームが生み出す『新しい価値観』は、環境に配慮されていて、なおかつ非常に美味しい……。誰もが諸手を挙げて受けいれたいであろう、新たな価値観そのものでした。その新たな価値観が、グラスからも伝わることを願っています。

 

提供詳細:
 

店舗                 「Florilege」 東京都渋谷区神宮前2-5-4 SEIZAN外苑 B1

提供期間          2022年10月

営業時間          12:00~13:30(L.O.)/ 18:30~20:00(L.O.)

定休日             水曜日、不定休(HPに掲載)

お料理          ランチコース 7,500円 (税サ別)/ ディナーコース 15,000円(税サ別)

ご予約・詳細  https://www.aoyama-florilege.jp/

 

 

プレスリリース:

シャンパーニュ以外のスパークリングワイン初!二つ星フロリレージュ で 英国泡『ガズボーン』提供
https://www.atpress.ne.jp/news/322157

 

関連リリース:

海外旅行に行けない今、ファーストクラスな英国ワインを愉しむ:百貨店でも好評発売中の話題の英国ワイン、JAL国際線ファーストクラスラウンジで今春提供スタート!「GUSBOURNE / ガズボーン」

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000098802.html
 

『最高峰英国ワイン×トップシェフ』ペアリング・コラボ第一弾!六本木の中華の雄「虎峰」

https://www.atpress.ne.jp/news/322157

 

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