ガスボーンのグローバル・ブランド・アンバサダーであるローラ・リースは、権威ある国際コンクールやミシュランの星付きレストランでワインの腕を磨いてきました。2010年にマスター・ソムリエの称号を手にしたローラは、その世界レベルの経験をケント州のこの地にもたらしてくれています。

 

ローラにとってワインは、最初に心に決めたキャリアではありませんでした。彼女が目指していたのは、法律です。しかし、活気に満ちたレストランでの週末のアルバイトが、彼女の進路を変えることになりました。カーディフでインターナショナル・ホスピタリティ・マネジメントを学ぶ間に、WSET(Wine & Spirit Education Trust)に出会ってワインを識り、ワインと恋に落ちたのです。ソムリエになることは自然なステップでした。

 

大学の学位とWSETのレベル3を手にしたローラは、ホスピタリティとワイン業界を、世界を舞台に活躍するためのパスポートと考えました。ローラはソムリエとしてのキャリアの一歩を、フィレンツェとピサの間にある、ファインダイニングのある高級ホテルとレストランで踏み出しました。

 

その後、英国に戻ったローラに、すべてを変えるようなチャンスが訪れました。2004年末、ワインの取り扱いで名の知られたブティックホテルグループが、コミ・ソムリエ(ソムリエの見習い)を募集していたのです。ローラはウィンチェスター・ホテル・デュ・ヴァンで3年間、二人のマスター・ソムリエ、Claire Thevenot MSとYohann Jousselin MSに薫陶を受け、スキルを磨きました。

 

 

イングリッシュ・スパークリング・ワインに夢中になる

 

 

その間、クレア・テヴノは英国のソムリエ・オブ・ザ・イヤーのコンテストに向けて準備をしており(2006年に優勝)、チーム全体で彼女のトレーニングをサポートしていました。「本業でフルにシフトをこなしながらも勉強をし、どんな成果が上げられるのか。大きな気づきでした」と、ローラは振り返ります。「ホテル・デュ・ヴァンはこの上ない研鑽の場であり、初めて英国のスパークリングワインに出会った場所でもあります。イングリッシュ・スパークリングワインを知って、とても興奮しました」とローラは話します。

 

 

努力が報われる

 

その後、ホテル・デュ・ヴァンの共同設立者である故ジェラール・バッセOBE、MS MWが、次なる事業としてニューフォレストにホテル・テラヴィーナを立ち上げたとき、ローラはヘッドソムリエとして彼のもとに加わりました。その環境で、2008年にはChaîne des Rôtisseurs Young Sommelier of the Yearを、2009年にはUK Sommelier of the Year(英国最優秀ソムリエ)という名誉ある賞を受賞しました。

 

シフトの合間を縫って、ローラはマスターソムリエの試験の準備を始めました。「夜更かしと早起きの繰り返しでしたが、ニューフォレストの真ん中とあっては、仕事終わりの誘惑も何もなくて。なんでも相談できるジェラールがいたことも幸運でした。彼は素晴らしいメンターで、人の背中を献身的に後押ししてくれる人なんです」。ローラは、難関であることで悪名高い試験に合格し、2010年、マスターソムリエの仲間入りを果たしました。

 

ローラがガスボーンに出会ったのは、次の職場である西ロンドンのチズウィックにあるミシュランの星付きレストラン『La Trompette』でヘッドソムリエをしている時でした。

 

「私はガズボーンがとても気に入って、Brut Reserveをハウスシャンパーニュと並べてグラスで販売したら面白いと思ったんです。そのアイデアは大成功!何年もたった今でも、グラスで提供されていますよ」。

 

イングリッシュ・スパークリングを広める

 

ガズボーンを訪れ、ヘッドワインメーカーのチャーリー・ホランド、チーフ・ヴィンヤード・マネージャーのジョン・ポラード、創業者のアンドリュー・ウィーバーが取り組んでいることを目の当たりにして、ローラは「完全に圧倒された」と言います。「三人とも『クオリティとスタイル』を一番の理念としているのが、肌で感じられました。それに何より、本当に地に足のついた人たちだったんです」。その後話が発展し、2015年、チームに加わらないかというガズボーンからのオファーにローラがイエスと応えるまで、時間はかかりませんでした。

 

ガズボーンで果たすローラの多面的な役割は、年々変化し、大きくなっています。ワインづくりにおいても、ブラインド・テイスティングとブレンディングという2つの重要なプロセスに関わっています。彼女は、外交的にお気に入りのガスボーン・ワインを挙げることを避けていますが(「ヴィンテージごとに変わるので」)、今はロゼ2016年とブラン・ド・ノワール2016年だと告白しています。「半年後に同じ質問をされたら、私のお気に入りはブラン・ド・ブラン2016年になっていると思いますけど(笑)」。

 

「私は世界中のあらゆるワインが大好きです。でも、共通していえるのは、エレガンスとフィネスでしょうか。それはカリフォルニアのカベルネ・フランかもしれませんし、北ローヌのシラー、オーストラリアの本当にオールドスクールな熟成したカベルネ・ソーヴィニヨンかもしれません。エレガンスとは、必ずしも軽さを意味するものではなく、バランスなのです」。

 

ローラは、グローバル・ブランド・アンバサダーとしてワインディナーやテイスティングのホストをしながら、ガスボーンのセールスチーム、マーケティングチームとも密接に連携をとりながら活動しています。英国内はもちろん、世界を縦横無尽に駆け巡り、行く先々でイングリッシュ・スパークリングワインのファンを増やしています。

 

ローラ・リースMSは、世界に270人(2022年1月時点)しかいないマスターソムリエの称号を持っています。その中の34名の女性マスター・ソムリエのうち、英国とヨーロッパに拠点を置いているわずか6名のうちの一人です。

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