ガズボーンでは毎年、レイト・デゴルジュのボトルを少量ずつリリースしています。これらは、特別なテクニックによって特に豪華に上質に仕上げられたワインです。

 

ドン・ペリニョンのプレニチュードやボランジェのRDをご存知なら、レイト・デゴルジュの特徴であるブリオッシュ、クリーム、バター、トーストの美味なる芳醇な風味とフレッシュネスの共存という魔法をご存知でしょう。

 

このような熟成の錬金術はどのようにして起こるのでしょうか?鍵は『澱』にあります。

 

 

熟成の錬金術

 

“特別なテクニック”と言いましたが、レイト・デゴルジュのワインは、ワインとして生を受けた時には通常のスパークリングワインとなんら変わりありません。ガズボーンの他のスパークリング同様、スティルワインに糖分と酵母(イースト)の溶液を加え、二次発酵させます(この段階で、泡が生まれます)。二次発酵が行われている間は、ボトルはコルクではなく王冠キャップとビデュール(プラスチック製の部品:デゴルジュマンの際に澱が溜まる場所)で密閉されるため、ボトル内に空気が入ることはほぼありません。

 

瓶の中で酵母が糖分を食べると発酵が行われ、糖分がなくなると酵母は死滅します。役目を終えた酵母(=澱)は、マンノプロテインやその他の化合物を放出。それが風味に重要な影響、つまり『熟成したスパークリングワイン』と聞いて私たちが連想するクリーム、トースト、ブリオッシュのような風味を生み出すのです。

 

ワインを澱の上で(シュール・リー)寝かせれば寝かせるほど、これらのクリーミーな風味とテクスチャーはより顕著になっていきます。しかし、レイト・デゴルジュのワインで重要なのは、この澱熟成が ”酸素の影響を受けず” 起きるということなのです。(澱熟成の段階では、コルクではなくキャップで密閉されているため。)つまり、ワインはトーストのようなふくよかな風味を身につけながらも、フレッシュさを保つことができるというわけです。

 

通常より長い澱との熟成期間を経てデゴルジュ(澱引き)の時期を迎えたら、澱と沈殿物がすべてボトルのネックに溜まるよう、ワインを静かに回転させながら逆さまにしていきます。そのままボトルネックを凍らせ、王冠キャップを外すと、凍った沈殿物は勢いよくボトルから飛び出します。その後、ボトルはコルクで打栓されてからセラーに戻され、『コルク熟成』に移ります。この期間に、ワインはデゴルジュマンの時に受けた酸素との初接触のショックから回復していきます。 


 

 

レイト・デゴルジュは最高のワインか

 

英国ワインの魅力とは、あらゆる人の口に合うスタイルがあるということです。フレッシュでフルーティーなスパークリングが飲みたいときには、若々しくフレンドリーなスタイルのワインもあります。しかし多くの人にとって、フレッシュさを保ちながらも長期澱熟成を経た複雑さを備えた 『LD(レイト・デゴルジュ)』 がスパークリングワインの頂点であることに、疑いの余地はないでしょう。

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