デイヴィ・ジーウの仕事は、ワイン業界で最高のものかもしれない。過去7年間、彼はロンドンを拠点とするワイン商、ベリー・ブラザーズ&ラッドでイタリア、シャンパーニュ、イギリスのファインワインバイヤーを務めてきた。それぞれの産地に対する彼の情熱(本当に、これ以上最適な言葉はない)は、ほとばしる様子が目に見えるほどだ。

 

私たちが話をしたとき、デイヴィはトリノからのフライトから戻ったばかりだった。バローロの最新ヴィンテージをテイスティングしたピエモンテの丘陵地帯から、サセックスのなだらかな丘陵地帯、そしてケントの平原へと頭を切り替えるのに、少し時間を要したようだった。

 

デイヴィの豊かなスコットランド訛りから想像されることとは裏腹に、彼は長年にわたって英国ワインを支持してきた。約15年前、彼はプランプトン大学でワインについて学び、この急成長中の業界に飛び込んだ。

 

「大学の近くのブドウ畑の近くに住んで、収穫もしました。寒さと雨の一言です(笑)。ポテンシャルがあることは確かでしたが、冷涼気候の英国がワインを造るのに世界で最もエキサイティングな場所のひとつだとは言わなかったでしょう。しかし、今はどうでしょう。その変貌ぶりは信じられないほどです」。
 

 

コレクターに向けたフィフティ・ワンのローンチ

 

それから10年以上が経ち、この春、デイヴィはチームの一員としてフィフティ・ワン・ディグリーズ・ノースの新ヴィンテージをベリー・ブラザーズ&ラッドのファインワイン・カスタマーへ向けローンチした。フィフティ・ワンがイン・ボンドでオファーされるのはこれが初めてで、このレベルのプレステージキュヴェの今後の方向性を明確に示すものだった。

 

「新ヴィンテージの発表会ではクライアントと一緒に試飲しましたが、信じられないほど好評でした。同様に、ファインワイン・チームもこのワインに完全に魅了されていました。ご存知と思いますが、このチームは素晴らしいワインを毎日のようにテイスティングしている人たちですよ」とデイヴィは言う。「そして本当にエキサイティングなのは、このワインが、まだまだ始まったばかりだということです」。

 

フレッシュな英国産スパークリングの楽しみと同様に、ヴィンテージ・シャンパーニュの快楽にも精通しているデイヴィは、フィフティ・ワンがファインワインの文脈の中でどのような位置づけにあるのか見解を示すのに最適な立場にいる。市場は、英国産スパークリングワインをトップ・ヴィンテージ・シャンパーニュと同等に位置づける準備ができているだろうか?

 

「イギリスのスパークリングワインに対する認識や評価は、劇的に変化しています。とはいえ、多くの消費者にとって、このトップレベルの素晴らしいワインを受け入れるには、まだ視点のシフトが必要です。今や、最高のシャンパーニュ・メゾンと肩を並べている。その事実を理解してもらうことがとても重要です」。

 

デイヴィは、フィフティ・ワンのようなワインを、単に英国ワインというレンズを通して見るのではなく、もっと広い視野で見るべきだと説明する。むしろ、視点をグローバルに広げて見る必要があるのだ。

 

「このレベルの高品質なイングリッシュ・スパークリングになると、もはやイギリスのワインや、サセックスやケントの近隣のワインと比べることはできません。このワインが本当の意味で競い合っている、世界のトップワインを引き合いに出さなければ語ることはできないのです。

 

つまり、同じ価格帯のトップ・シャンパーニュや、世界のファインワインと比べることになります。世界というテーブルの上に乗せられたときに、そのポジションを正当化できるのか。そして私の考えでは、フィフティ・ワンは間違いなくそうできるワインです」。

 

もちろん、それは喜ばしいことでありながら、なぜデイヴィがそのような考えに至ったのかも興味深い。なぜなら、彼にとってワインの品質と品格は、グラスに注がれたものを自分自身で評価することからしか得られないものだからだ。

 

「2014年と2016年、2つのヴィンテージを試飲しました。並外れたワインです。ヴィンテージ・イヤーを賛美するという、ある種勇敢とも言える事実そのものが信じられないほどで、それは『偉大なイングリッシュ・スパークリング・ワインをつくる』ことへのコミットメントと自信、そして野心を示していると思います。」

 

「複雑で熟成させる価値があり、コレクションに値する美しいワイン。このワインはガスボーン・シリーズのすべてを凝縮し、表現していると思います。イギリスの偉大なワインメイキングの祝福、そのものなのです」。

 

 

コレクションの対象としてのプレステージ・イングリッシュ・スパークリング
 

ワインコレクターのポートフォリオにおけるプレステージ・スパークリングワインの役割について、デイヴィはどのように考えているのだろうか。セラーに、そしてセカンダリー・マーケットに、その居場所はあるのだろうか。その答えを探るために、2点を考えてみよう。BBXやLiv-Exのようなプラットフォームにおけるフィフティ・ワンの存在と可能性、そして熟成価値だ。

 

「シャンパーニュはここ数年、二次市場や三次市場において絶好調です」とデイヴィは言う。「その派生効果の一部は海峡を越え、英国ワインのカテゴリーにも広がっていくだろうと思わずにはいられません」

 

「フィフティ・ワン・ディグリーズ・ノースは、今現在セカンダリー・マーケットに流通する、数少ない本当のトップ・イングリッシュワインのひとつです。ヴィンテージ・シャンパーニュと同じように買われたり取引されたりするようになるまでには、まだ少し時間がかかるでしょう。ですが、未来は非常に明るいと思っています」。

 

そして、コレクターズ・ワインの真の特徴のひとつである、熟成のポテンシャルについてはどうだろうか。

 

ワインバイヤーが好んで飲み頃を定義することは少ないが、デイヴィはヴィンテージ・シャンパーニュの将来を予測することに関しては、こと豊富な経験を持ちあわせている。フィフティ・ワン・ディグリーズ・ノースの熟成ポテンシャルについて尋ねたとき、彼はその経験を頼りに答えた。

 

「スパークリングワインは、ほとんどすべてのワインの中で最も長持ちするカテゴリーです。造り方、泡、ドザージュ、酸。フィフティ・ワン・ディグリーズ・ノースは、熟成に必要なすべての要素を備えています。その飲み頃は恐ろしく長いものになるでしょう。どのように成長し熟成していくのか、とても楽しみです。

 

このワインは、今すでに素晴らしい。骨格となるストラクチャー、酸の性質、そして緊張感。それは瓶内のコルク熟成でますます発展していくでしょう。現実的には、このワインの飲み頃は今後25年間だと思います。熟成が進むにつれ、明るいスパークリング的な個性から、風味豊かなワインへと変化していくでしょう。」

 

デイヴィの場合、語るべきことは常に多く、引き出される情熱も専門知識も多い。イギリスのスティルワインの可能性についての彼の見解を駆け足で尋ね(「ワインメーカーに頼りすぎることなく、ブドウの果実味を讃えているガズボーンのようなスタイルが大好きです」)、単一畑のシリーズ(コマンダーズ、ダウン・フィールド、セルハースト・パーク、ブート・ヒル)についても意見を求めた。(「サセックスのチョーキーな緊張感、塩気とミネラル、エネルギー感が大好きである一方、粘土土壌のケントの畑には広がりや厚みなど、まったく異なる個性があります。こういうワインを、もっとつくってください。」彼は懇願した。「このようなワインは、どれだけあってもありすぎることはないのですから!」)。

 

最後にもう一度、フィフティ・ワンに戻ろう。「時の試練に耐えるのは、このようなワインです」とデイヴィは言う。「フィフティ・ワン・ディグリーズ・ノースは、他のすべてのイングリッシュ・スパークリングワインにとって、未来を照らし、導いてくれる灯台のような存在になるでしょう」。

 

「トップ・ソムリエ、コレクター、ワイン愛飲家は、ピエール・ペテルス、テタンジェ・コント・ド・シャンパーニュ同様、プレステージ・イングリッシュ・スパークリングにも手を伸ばすべきです。フィフティ・ワン・ディグリーズ・ノースのような、ね。」

 

ベリー・ブラザーズ&ラッドのお客さまには、フィフティ・ワン・ディグリーズ・ノースをイン・ボンドでご案内しています。デイヴィと彼が行うMND(運動ニューロン疾患)のためのチャリティ活動については、こちらをご覧ください。

 

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